お盆や法事で親戚が集まったとき、曾祖父の話題になったものの、誰も詳しいことを知らなかった。そんな経験は、ないでしょうか。
家系図作成とは、戸籍をたどってご先祖様の歩みを一枚に書き起こし、家族の歴史を未来へ残す営みです。手順そのものはご自身でも始められますが、古い戸籍の解読や取り寄せの手間でつまずく方も少なくありません。
本記事では、家系図作成の全体像・自分で作る手順・専門家へ依頼する判断基準・費用と期間の目安を、順を追ってお伝えします。はじめての方が迷わず一歩を踏み出せるよう、丁寧にご案内いたします。お役に立てれば、嬉しく思います。
家系図作成とは|戸籍をたどり、家族の歴史を一枚に残すこと
家系図作成とは、戸籍などの記録をもとにご先祖様のつながりを調べ、系譜として形に残す作業です。単なる名前の一覧ではなく、ご自身がどこから来たのかを知る、かけがえのない記録になります。
家系図と家系譜、何が記されるのか
家系図とは、ご先祖様と子孫の続柄を線で結んで示した図のことです。一方の家系譜とは、戸籍に記された出来事を文章で書き連ねた記録を指します。
額縁での仕立てには続柄とお名前を中心に記し、和本(わほん)には戸籍に残された事跡をできるかぎり書き写します。和本とは、和紙を綴じた伝統的な書物の形式です。どこまで記すかは、ご家族のご希望に寄り添いながら決めてまいります。
なぜ今、家系図作成が選ばれているのか
家系図作成を急ぐ理由は、記録にも、お話にも「期限」があるからです。
戸籍には保存期間が定められており、除籍簿(じょせきぼ)は法改正により150年間の保存となりました。除籍簿とは、その戸籍にいた方が全員いなくなった戸籍の記録です。古い戸籍は廃棄や災害で失われている場合もあり、遡れるうちに動く意味は小さくありません。
あわせて、ご高齢の親族から直接お話を伺える時間にも限りがあります。戸籍だけでは分からない暮らしぶりや言い伝えは、その方がいらっしゃるうちにしか残せない財産です。
単なる記録ではなく「心の相続」という価値
家系図は、ご先祖様への敬意を目に見える形に変えた、心の相続の証です。
財産を受け継ぐことだけが相続ではありません。「自分は、たくさんの命のつながりの先にいる」と気づくこと。その実感こそ、世代を超えて手渡せる想いだと、私たちは考えております。家系図作成は、家系の腰骨を立てる営みでもあるのです。

家系図作成の進め方|自分で作る場合の手順
ご自身で家系図を作る場合は、戸籍を集める → 読み解く → 書き起こすという3つの段階で進みます。順番に整理すれば、どなたでも着手が可能です。ここでは全体の流れをつかんでいただけるよう、要点を順に整理しました。
① 本籍地を確認し、戸籍謄本を取り寄せる
最初の一歩は、ご自身の現在の戸籍を取り寄せ、本籍地と筆頭者を確認することです。
筆頭者とは、戸籍の最初に記載される基準となる方を指します。本籍地の役所へ請求すれば、現在の戸籍謄本を受け取れます。郵送請求にも対応している自治体が多く、遠方にお住まいでも手続きを進められます。
戸籍をどこまで取り寄せられるか、その範囲の考え方は、関連記事「戸籍はどこまで遡れる?家系図で江戸時代の先祖を調べる方法」で詳しくお伝えしています。あわせてご覧ください。
② 除籍・改製原戸籍をさかのぼって集める
現在の戸籍を起点に、一つ前、また一つ前へと古い戸籍を順にたどっていくのがこの段階です。
さかのぼる過程で出てくるのが、除籍謄本と改製原戸籍(かいせいげんこせき)です。改製原戸籍とは、法改正によって新しい様式へ書き替えられる前の、古い様式の戸籍を指します。記載内容が新戸籍へ引き継がれない場合もあり、両方の取り寄せが欠かせません。
取り寄せの手順や費用の目安は、「家系図の調べ方|先祖を辿る戸籍の請求手順と費用を詳しく解説」も、あわせてご覧ください。
③ 古い戸籍を読み解き、家系図に書き起こす
集めた戸籍を読み解き、続柄を整理して一枚の図に書き起こせば、家系図の骨格が見えてきます。
ご自身で清書される方は、上の世代を上に、兄弟姉妹を横に並べると関係が伝わりやすくなります。手書きでも、表計算ソフトでも構いません。大切なのは、形式の美しさよりご先祖様の歩みを丁寧に受けとめる姿勢です。
つまずきやすい3つのポイントと向き合い方
ご自身での作成は尊い取り組みですが、途中で手が止まりやすい場面もあります。あらかじめ知っておくと、落ち着いて対処できます。
一つ目は、古い戸籍の文字が読めないこと。明治期の戸籍には変体仮名(へんたいがな)という、現在は使われない崩し字が登場します。二つ目は、取り寄せ漏れです。請求すべき戸籍を見落とすと、系統が途切れてしまいます。三つ目は、時間と手間の負担で、平日の役所対応が続くと根気を要します。
私自身も、未経験から家系図作成の道に入った当初は、一枚の戸籍を読み解くのに何時間もかけました。今だから言える話ですが、その積み重ねが解読の確かさを育ててくれたのだと感じております。

専門家に家系図作成を依頼する場合
ご自身での作成が難しいと感じたときは、専門家へ依頼するという選択肢があります。手間と専門性を委ねることで、確かさと心のゆとりが手に入ります。ここでは依頼でできることと、判断の目安を順に見ていきましょう。
行政書士に依頼するとできること
行政書士へ家系図作成を依頼すると、委任状にもとづく代理請求によって、戸籍の取り寄せをお任せいただけます。
ご依頼者様にご記入いただいた委任状をもとに、当事務所が代理人となって戸籍を集めてまいります。あわせて、変体仮名の解読や記載内容の整理など、ご自身では負担の大きい工程を担います。行政書士には守秘義務(行政書士法第12条)が課されており、ご家族の大切な情報を安心してお預けいただけます。
自分で作る場合との違い、依頼の判断基準
自分で作るか、依頼するか。判断の軸は「時間」「正確さ」「仕上がり」の3つに整理できます。
費用を抑えてご自身の手で残したい方には、自作が向いています。一方で、取り寄せ漏れを避けたい、古い文字を確実に読み解きたい、額装や和本で美しく仕立てたい——そうしたお気持ちがある場合は、専門家への依頼が安心につながります。依頼の進め方は「家系図作成を依頼して先祖の歴史を家族に残す方法」もご参照ください。
斉家が大切にしている、家系図づくりの姿勢
斉家は、お一人お一人の想いを受けとめながら、全工程を手作業で進めてまいります。
私が家系図の道を志したのは、母を亡くしたことがきっかけでした。もっと話を聞いておけばよかったという悔いが、同じ想いを抱く方々に寄り添いたいという願いへと変わりました。家系図作成は、私にとって萬燈行(まんとうぎょう)——一つひとつの灯りが集まって世を照らす行——の実践でもあります。ご先祖の歩みに敬意を払い、丁寧に向き合ってまいります。
家系図作成の費用と期間の目安
家系図作成にかかる費用と期間は、調査する系統の数や仕立て方によって変わります。ここでは、費用と期間の考え方をひも解いていきましょう。具体的な金額は、ご希望を伺ったうえでご案内いたします。
費用の考え方と内訳
費用は、戸籍の取得にかかる実費と、調査・解読・製本といった手間に応じて決まります。
調べる範囲が広がるほど、取り寄せる戸籍も増えてまいります。額縁か和本か、何系統を調べるかによっても変わるため、まずはご希望をお聞かせください。具体的な料金は「料金表」にてご確認いただけます。
完成までの期間と進み方
完成までは、一般的に数か月のお時間を頂戴します。戸籍の取り寄せは役所の対応を待つ工程が多く、系統数によっても前後します。
着手後は、収集の進み具合を折にふれてご報告いたします。お待ちいただく間も、ご不安が残らないようお伝えしながら進めてまいります。
「安さ」だけで選ばないという考え方
家系図は、一度きりの、末永く残るものです。だからこそ、金額の多寡だけでなく「どんな想いで作ってくれるか」を見ていただきたいのです。
ご先祖様の歩みを託す相手として、価値観の合う作り手を選ぶこと。それが、仕上がりへの満足につながると、私たちは捉えています。業者選びの視点は「家系図作成の依頼前に知らないと損する|プロが教える業者選びの盲点」でもお伝えしています。
完成した家系図が、ご家族にもたらすもの
家系図は、完成して終わりではありません。そこから、家族の新しい対話が始まります。最後に、お手元に届いたあとの広がりをご紹介しましょう。
家族が集い、語り合うきっかけに
一枚の家系図を囲むと、自然と会話が生まれます。「この方はどんな人だったのか」という問いが、世代を超えた語らいを呼び起こします。
人生の節目の贈り物として
還暦や古希、長寿のお祝いに、家系図は心に残る贈り物になります。形ある記録でありながら、想いの込もった一品として、親御様やご家族に喜んでいただけます。
完成はゴールではなく、対話の始まり
家系図を手にしたご家族が、ご先祖様を語り継いでいく。その姿こそ、私たちが願う家系図作成の本当の意味です。末永くご家族の記憶を大切にしていただけるよう、納品後も寄り添ってまいります。

よくある質問
Q. 家系図はどのくらい遡れますか?
A. 一般的に明治時代初期、約150〜200年前まで遡れる場合が多くあります。ただし、役所での戸籍の保存状況によって異なります。
Q. 戸籍の取得は本人以外でも可能ですか?
A. はい。委任状をご記入いただき、当事務所が代理で戸籍取得を進めさせていただきます。
Q. 家系図作成にはどれくらいの期間がかかりますか?
A. 数か月程度が目安です。ご依頼いただく系統数やプランによって、多少前後いたします。
Q. 自分で作ろうとして、途中で難しくなったら依頼できますか?
A. もちろんです。集めた戸籍がある場合は、その続きからお手伝いすることも可能です。お気軽にご相談ください。
Q. 家系図に載せたくない情報は省けますか?
A. ご希望に応じて、省略や追記にも対応いたします。ご依頼時や経過のご報告時にお申し付けください。
まとめ
家系図作成は、戸籍をたどってご先祖様の歩みを一枚に残し、家族の歴史を未来へ繋ぐ営みです。
ご自身で進める場合は「集める・読み解く・書き起こす」の3段階で着手でき、専門家へ依頼すれば、委任状にもとづく取得代行や古文書の解読をお任せいただけます。費用と期間は系統数や仕立て方によって変わるため、まずはご希望をお聞かせいただくところから始まります。
家系図は、単なる記録ではなく、ご先祖様への敬意と家族への想いを形にした「心の相続」です。末永くご家族の記憶を大切に残していただけるよう、斉家は納品後も寄り添ってまいります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせフォームまたはお電話にてご相談ください。どんな小さな疑問にもお答えしながら、進めてまいります。









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