「相続の手続きは、いつか考えればよい」。そう思っていらっしゃる方は、決して少なくないのではないでしょうか。けれども2026年は、相続にまつわる登記の制度が相次いで変わる、大切な節目の年です。
すでに始まっている相続登記の義務化に加えて、2026年には住所変更登記の義務化、所有不動産記録証明制度、スマート変更登記が動き出しました。期限や過料が定められたものもあり、「知らなかった」では済まされない場面も出てまいります。
本記事では、これらの新しい制度の要点をやさしく整理いたします。そのうえで、登記そのものとは少し離れて、ご家族のために今からできる「戸籍と家系の備え」についても、家系図作成の斉家としてお伝えしてまいります。単なる手続きの話ではなく、ご先祖様とご家族に向き合う機会として、お役に立てれば幸いでございます。
INDEX≡目次
- 12026年、相続と登記の制度が大きく変わります
- ►相次ぐ制度改正の背景にある「所有者不明土地」の問題
- ►ご家族にとって大切なのは「早めに把握しておくこと」
- 2相続登記の義務化|2024年4月から・3年以内・10万円以下の過料
- ►施行前に発生した相続も対象(2027年3月31日まで)
- ►相続登記の手続きそのものは司法書士の先生の領域です
- 3住所変更登記の義務化|2026年4月から・2年以内・5万円以下の過料
- ►施行前の変更も対象(2028年3月31日までの経過措置)
- ►過料はいきなりではなく、催告を経て判断されます
- 4所有不動産記録証明制度|全国の不動産を一覧で確認できます
- ►親御様が遺した不動産の「見落とし」を防ぐ手がかりに
- ►請求の手数料と申請の窓口(法務局)
- 5スマート変更登記|事前のひと手間で、住所変更を自動に
- ►検索用情報(生年月日・氏名等)を一度申し出ておく
- ►対象や手続きには確認が必要な点もあります
- 6制度改正が教えてくれる「相続が起きる前の備え」
- ►「誰が相続人か」を確かめるには戸籍をたどる必要があります
- ►単なる手続きではなく、ご先祖様の歩みに向き合う機会として
- 7戸籍をたどると見えてくるもの|家系図と相続関係の見える化
- ►戸籍は「委任状にもとづく代理請求」でお集めします
- ►古い戸籍や変体仮名の解読も、ていねいに行います
- ►登記や相続税は、必要に応じて司法書士・税理士の先生をご紹介します
- 8よくあるご質問(FAQ)
- ►Q. 相続登記や住所変更登記の義務化は、いつから始まったのですか?
- ►Q. 過料はすぐに科されてしまうのでしょうか?
- ►Q. ずいぶん前に相続した不動産も、義務化の対象になりますか?
- ►Q. 親御様が遺した不動産がどこにあるか分からないのですが、どうすればよいでしょうか?
- ►Q. 斉家では、相続登記もしていただけるのですか?
- ►Q. 制度改正をきっかけに、何から始めればよいでしょうか?
2026年、相続と登記の制度が大きく変わります
2026年は、相続に関わる登記の制度がいくつも切り替わる年でございます。背景にあるのは、持ち主の分からない土地、いわゆる「所有者不明土地」が全国で広がってきた問題です。国は、登記を通じて持ち主をはっきりさせる方向へと舵を切ったのです。
まずは、今どのような制度が動いているのかを一覧で見てみましょう。制度ごとに、始まる時期も期限も異なります。
2026年前後の相続・登記の新制度(一覧)
いずれも所管は法務省。始まる時期も期限も制度ごとに異なります
| 制度 | 施行時期 | 主な内容 | 期限・過料など |
|---|---|---|---|
| 相続登記の義務化 | 2024年4月1日 | 相続した不動産の名義変更を申請 | 取得を知った日から3年以内/10万円以下の過料 |
| 住所等変更登記の義務化 | 2026年4月1日 | 住所・氏名が変わった際の変更登記 | 変更日から2年以内/5万円以下の過料 |
| 所有不動産記録証明制度 | 2026年2月2日 運用開始 | 全国の不動産を一覧化して証明請求 | 窓口手数料 1通1,600円 |
| スマート変更登記 | 2026年4月1日 | 事前申出で法務局が職権登記 | 手数料 無料 |
出典: 法務省/政府広報オンライン
相次ぐ制度改正の背景にある「所有者不明土地」の問題
所有者不明土地とは、登記簿を見ても今の持ち主がすぐには分からない土地のことでございます。相続のたびに登記がされず、世代を重ねるうちに、誰のものか分からなくなってしまう——これが空き家や荒れ地が生まれる入口です。
こうした土地は、全国で広い面積にのぼると言われております。国はこの問題を解きほぐすため、登記を「するかどうか自由」から「義務」へと改めました。
ご家族にとって大切なのは「早めに把握しておくこと」
制度が変わると聞くと、身構えてしまうお気持ちもよく分かります。ただ、ご家族にとって本当に大切なのは、制度の細部を暗記することではございません。「我が家にはどんな不動産があり、誰が相続人にあたるのか」を、早めに把握しておくことではないでしょうか。
その土台となるのが、戸籍をたどってご家族のつながりを確かめる作業です。ここに、私たち斉家がお手伝いできる役割がございます。
相続登記の義務化|2024年4月から・3年以内・10万円以下の過料
相続登記の義務化は、2024年4月1日にすでに始まっております。不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に登記を申請することが義務づけられ、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となります(法務省・政府広報オンライン ✓)。
相続登記とは、亡くなった方の名義のままになっている不動産を、相続した方の名義へと変える手続きのことです。これまでは任意でしたが、今は期限のある義務へと変わりました。
相続登記の義務化|押さえておきたい期限
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2024年4月1日
相続登記の義務化がスタート。相続した不動産の名義変更が義務になりました。
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相続を知った日から3年以内
登記の申請が必要です。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となります。
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2027年3月31日まで(経過措置)
施行前に発生した相続も対象。古い相続ほど戸籍をさかのぼる手間がかかるため、早めの準備が安心です。
出典: 法務省/政府広報オンライン
施行前に発生した相続も対象(2027年3月31日まで)
見落としやすいのが、制度が始まる前の相続も対象になるという点でございます。ずいぶん前に相続した不動産であっても、名義がそのままであれば義務の対象となります。
施行前に発生した相続については、経過措置として2027年3月31日までが申請の目安とされております。古い相続ほど、戸籍をさかのぼる手間がかかりますので、早めの準備が安心につながります。
相続登記の手続きそのものは司法書士の先生の領域です
ここで、ひとつ正直にお伝えしておきたいことがあります。相続登記の手続きそのものは、司法書士の先生の業務です。斉家はその登記を代わりに行うことはいたしません。
私たちがお手伝いできるのは、登記の前提となる「相続人を確かめるための戸籍集め」や「家系の見える化」でございます。登記が必要な場面では、信頼できる司法書士の先生をご紹介しております。
住所変更登記の義務化|2026年4月から・2年以内・5万円以下の過料
2026年4月1日からは、住所や氏名の変更登記も義務化されました。引っ越しや結婚などで住所・氏名が変わったときは、変更日から2年以内に登記の申請が必要となり、正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の対象となります(法務省 ✓)。
これは相続の場面だけでなく、不動産をお持ちの方すべてに関わる制度なのです。ご自身の住所が変わったときにも、登記の見直しが必要になるのです。
施行前の変更も対象(2028年3月31日までの経過措置)
相続登記と同じように、住所変更登記にも経過措置がございます。施行日より前に住所や氏名が変わっていた場合でも、変更登記をしていないときは義務の対象となります。
この場合は、令和10年、つまり2028年3月31日までに変更登記を済ませる必要があるとされております(法務省 ✓)。心当たりのある方は、一度ご確認いただくとよいかもしれません。
過料はいきなりではなく、催告を経て判断されます
過料という言葉に、不安を覚える方もいらっしゃるでしょう。けれども、義務に違反したからといって、ただちに過料が科されるわけではございません。
法務省の案内によれば、登記官はまず相当の期間を定めて手続きを促し、正当な理由なくその期間内に申請がされないときに限って、過料の対象となると説明されています(法務省 ✓)。過度に恐れる必要はございませんが、放置を続けないことが肝心でございます。
所有不動産記録証明制度|全国の不動産を一覧で確認できます
2026年2月2日からは、所有不動産記録証明制度が始まりました。ご本人や、亡くなった親御様などが全国に持つ不動産を一覧化して、証明書として受け取れる制度です(政府広報オンライン ✓)。
「どこに不動産があるのか分からない」というお悩みは、相続の場面で本当によく耳にいたします。この制度は、そうした不安にそっと寄り添ってくれるものだと感じております。
親御様が遺した不動産の「見落とし」を防ぐ手がかりに
相続が起きたとき、ご家族が一番困るのが「遺された不動産の把握」でございます。遠方の土地や、ご家族も知らなかった不動産があると、手続きが滞ってしまいます。
所有不動産記録証明制度を使えば、亡くなった方が持っていた不動産を一覧で確認できます。見落としを防ぐ、心強い手がかりになるのではないでしょうか。
請求の手数料と申請の窓口(法務局)
この証明書は、法務局へ請求してお受け取りいただきます。窓口で請求する場合の手数料は、1通あたり1,600円とされております(政府広報オンライン ◐)。
なお、誰が相続人にあたるかを示すには、別途、戸籍を集めて確かめる作業が必要になります。不動産の一覧と、相続人の確認。この両輪がそろって、はじめて相続の全体像が見えてくるのです。
スマート変更登記|事前のひと手間で、住所変更を自動に
あわせて、スマート変更登記という新しい仕組みも導入されました。あらかじめ「検索用情報」を一度登録しておくと、住民基本台帳ネットワークと連携し、法務局が職権で住所等の変更登記を行ってくれる制度でございます。利用に手数料はかかりません(法務省 ✓)。
先ほどの住所変更登記の義務化と、対になる仕組みと考えると分かりやすいかもしれません。義務化の負担を、ひと手間で軽くしてくれるものでございます。
スマート変更登記の流れ
事前のひと手間で、その後の住所変更登記を自動に
検索用情報を登録
生年月日・氏名などの「検索用情報」を一度、法務局へ申し出ておきます。
住所が変わる
転居などで住所が変わり、市区町村へ転居届を提出します。
職権で登記
住基ネットと連携し、法務局が職権で住所変更登記を行います。
利用に手数料はかかりません(無料)
出典: 法務省
検索用情報(生年月日・氏名等)を一度申し出ておく
スマート変更登記の鍵となるのが、「検索用情報」の事前登録でございます。生年月日や氏名などの情報を一度申し出ておくことで、法務局が住民票の情報と照らし合わせられるようになります。
一度の手続きで、その後の住所変更登記を自動にできる。忙しい方や、ご高齢の親御様にとっても、心強い仕組みではないでしょうか。
対象や手続きには確認が必要な点もあります
便利な制度ではございますが、対象となる方や具体的な手続きには、確認が必要な点もございます。導入されたばかりの制度でもありますので、ご利用の際は、法務省や法務局の最新の案内をお確かめください。
制度はあくまで道具です。大切なのは、その道具を使って、ご家族の安心をどう整えていくかではないでしょうか。
制度改正が教えてくれる「相続が起きる前の備え」
ここまで4つの制度を見てまいりました。一連の改正に共通するのは、「相続が起きてから慌てるのではなく、元気なうちに家族の情報を整えておくことの大切さ」だと感じております。
これは、私たち斉家が大切にしてきた「心の相続」という考え方とも、深く重なります。心の相続とは、財産だけでなく、ご先祖様の歩みや想いを次の世代へ受け継いでいくこと。そこに価値があると考えております。
「誰が相続人か」を確かめるには戸籍をたどる必要があります
どの制度においても、相続の場面で必ず必要になるのが「誰が相続人にあたるのか」の確認です。これを確かめるには、亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの戸籍を、さかのぼって集めなければなりません。
ここで登場するのが、改製原戸籍(かいせいげんこせき)でございます。改製原戸籍とは、法律の改正で戸籍の様式が変わる前の、古い戸籍のことです。手書きで読みにくいものも多く、相続人の確定を難しくする一因にもなります。
単なる手続きではなく、ご先祖様の歩みに向き合う機会として
正直に申し上げますと、私自身、母を亡くしたときに、相続にまつわる手続きの大変さを身をもって知りました。今だから言えることですが、悲しみの中で書類と向き合う時間は、想像以上に重いものでした。
だからこそ、戸籍を集める作業を、単なる事務手続きで終わらせたくないと考えております。一通一通の戸籍には、ご先祖様が確かに生きた証が刻まれています。その歩みに敬意を払いながら、家系の腰骨を立てる。そんな機会として受けとめていただけたら、と願っております。終活の観点から備えを整えたい方は、終活とは何か|やることリストもあわせてご覧ください。
戸籍をたどると見えてくるもの|家系図と相続関係の見える化
相続の場面では、誰が相続人にあたるかを確かめるために、戸籍をさかのぼって集める作業が欠かせません。斉家は、お客様の委任状にもとづいて戸籍を代わりにお集めし、ご家族のつながりを家系図として見えるようにするお手伝いをしております。
単なる名前の羅列ではなく、世代を超えて家族の歴史を繋げる大切な記録として、お一人お一人の想いを受けとめながら、ていねいに仕上げてまいります。
斉家のお手伝い|戸籍から家系・相続関係を見える化
行政書士の業務範囲のなかで、ていねいに進めてまいります
ご相談・お見積り
ご希望やお気持ちをうかがい、進め方とお見積りをお伝えします。
戸籍を代理で収集
お客様の委任状にもとづき、各役所へ代理で戸籍を請求します。
古い戸籍を解読
変体仮名など読みにくい古い記録も、一つひとつ解読します。
家系図に見える化
ご家族のつながりを家系図として、家宝に残せる形に仕上げます。
登記や相続税の手続きそのものは、必要に応じて司法書士・税理士の先生をご紹介します。
戸籍は「委任状にもとづく代理請求」でお集めします
斉家が戸籍をお集めする際は、お客様からいただいた委任状にもとづき、代理人として請求いたします。ご自身であちこちの役所に問い合わせる手間を、私たちが代わりに引き受けるかたちでございます。
行政書士には、行政書士法第12条に定められた守秘義務があります。ご家族の大切な情報を、責任をもってお預かりいたしますので、安心してお任せいただけます。
古い戸籍や変体仮名の解読も、ていねいに行います
明治期までさかのぼると、戸籍には変体仮名(へんたいがな)が使われていることがございます。変体仮名とは、今とは異なる字形のかなのことで、専門の知識がなければ読み解くのが難しいものです。
斉家は、こうした古い記録の解読も一つひとつていねいに行います。判読に時間はかかりますが、ご先祖様の歩みを正しく残すために、手を抜くことはいたしません。家系図づくりの全体像は、行政書士に家系図を依頼するとはどういうことかでも詳しくお伝えしております。
登記や相続税は、必要に応じて司法書士・税理士の先生をご紹介します
くり返しになりますが、斉家がお手伝いするのは戸籍取得の代行と家系図作成です。相続登記や相続税の手続きは、それぞれ司法書士・税理士の先生の業務となります。
ご相談の中でそうした手続きが必要になった際は、信頼できる先生をご紹介しております。お客様が安心して相続に向き合えるよう、橋渡し役としても寄り添ってまいります。相続にまつわる注意点は、家系図を作ると相続トラブルになる?もご参考になさってください。
よくあるご質問(FAQ)
Q. 相続登記や住所変更登記の義務化は、いつから始まったのですか?
相続登記の義務化は2024年4月1日から、住所・氏名の変更登記の義務化は2026年4月1日から始まっております。それぞれ申請の期限と過料が定められておりますので、早めの確認が安心でございます。
Q. 過料はすぐに科されてしまうのでしょうか?
いいえ、ただちに科されるものではございません。登記官が義務違反を把握した場合でも、まず相当の期間を定めて手続きを促し、正当な理由なくその期間内に申請がされないときに過料の対象となると説明されています。詳しくは法務省の案内をご確認ください。
Q. ずいぶん前に相続した不動産も、義務化の対象になりますか?
はい、施行日より前に発生した相続も対象とされております。相続登記については経過措置として2027年3月31日までが目安です。古い相続ほど戸籍をさかのぼる手間がかかりますので、早めの準備をおすすめいたします。
Q. 親御様が遺した不動産がどこにあるか分からないのですが、どうすればよいでしょうか?
2026年2月に始まった所有不動産記録証明制度を使うと、亡くなった方が全国に持つ不動産を一覧化して証明書として受け取れます。法務局でのお手続きとなりますので、まずは制度の活用をご検討いただくとよいかと思います。
Q. 斉家では、相続登記もしていただけるのですか?
登記の手続きそのものは司法書士の先生の業務でございますので、斉家では行っておりません。私たちがお手伝いできるのは、相続人を確かめるために必要な戸籍を委任状にもとづいて代わりにお集めすることや、ご家族のつながりを家系図として残すことでございます。登記や相続税については、必要に応じて専門の先生をご紹介いたします。
Q. 制度改正をきっかけに、何から始めればよいでしょうか?
まずは、ご家族にどんな不動産があり、誰が相続人にあたるのかを把握することから始まります。戸籍を集めて家系を見える化しておくと、いざというときの備えになります。費用の目安は家系図作成を行政書士に依頼する費用でご確認いただけます。
ご先祖様の歩みに敬意を払い、末永くご家族の記憶を大切に残していただけるよう、斉家は納品後も寄り添ってまいります。ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせフォームまたはお電話にてご相談ください。どんな小さな疑問にもお答えしながら、ていねいに進めてまいります。










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