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2月7日、東京ドームホテルに50名が集まった夜のこと

グラスを持つ手が、少し震えていました

「開業10周年、おめでとうございます」という声が宴会場に響いた瞬間、正直、泣きそうになりました。

2月7日、東京ドームホテル。50名のお客様や仲間たちが、この日のために時間を作ってきてくださいました。

乾杯のグラスを持ちながら、私はその50の顔を一人ひとり、ゆっくりと見渡しました。

開業した頃、正直、怖かったんです

行政書士として家系図の仕事を専門にすると決めたとき、胃がキリキリするような不安がありました。

「家系図だけで事務所が成り立つのか」——そう問われるたびに、笑って答えながら、心の中では揺れていました。迷わなかったといえば、嘘になります。

それでも踏み出せたのは、母を亡くしたあとに家族の歴史を辿った体験が、ずっと胸の底にあったからです。あの体験が、この仕事をやる理由でした。

最初のお客様が教えてくれたこと

初めてご依頼をいただいたときのことは、今でも鮮明に覚えています。

戸籍を一枚一枚手作業でたどりながら、ていねいに仕上げた家系図をお届けしたあと、しばらくしてご連絡をいただきました。「家族みんなで囲んで、気づいたら何時間も話していました」と。

その言葉を読んだとき、背筋が伸びました。

単なる書類作成ではない。家族が集まる理由になり、先祖の話が飛び交う場をつくる仕事なんだ——そのことを、最初のお客様が教えてくださいました。

10年間、変えてきたこと。変えなかったこと

10年のあいだに、ご依頼いただくお客様の幅は広がりました。

還暦や定年のお祝いに家系図を贈りたいという方、先祖の歴史を次世代に残したいという経営者の方、遠方に住む親御様への親孝行として依頼してくださる方——それぞれの想いは本当に多様で、お一人お一人のご事情に向き合うたびに、私自身が気づかされることが多くありました。

でも、変えなかったことがあります。「手作業で、ていねいに」という姿勢です。

古い戸籍の変体仮名(江戸時代の崩し字)をひもとく作業も、ご先祖の歩みを一つひとつ確かめる過程も、効率を求めれば省けるところはあります。ただ、そこを省いた瞬間に、この仕事の意味が変わってしまう気がするんです。

2月7日の夜に、ある方からいただいた言葉

パーティーの席で、以前に家系図をお作りしたお客様がご夫婦でいらしてくださいました。

「先生、今も床の間に飾ってありますよ」とおっしゃって。「お正月に親族が集まるたびに、みんなで囲んで眺めるんです」と。

胸がいっぱいになりました。

家系図は、飾られ続けることで、本当の仕事をするんだと思います。それは単なる記録物ではなく、世代を超えた絆の結び目です。

「家系の腰骨を立てる」という言葉の重さ

私が大切にしている言葉があります。「家系の腰骨を立てる」という表現です。

自分のルーツを知り、ご先祖の歩みに思いを馳せることで、今を生きる私たちの姿勢が変わっていく——その感覚を、この10年でずっと感じてきました。

「修身斉家治国平天下」という中国古典の教えがあります。まず自分を修め、家を整える。斉家という屋号は、この言葉から名付けました。

50名のお客様が東京ドームホテルに集まってくださったこの夜、その言葉の重さを、改めて腑の底で感じました。

次の10年へ、一燈ずつ

「萬燈行(まんとうぎょう)」という言葉が好きです。一つの灯が集まり、やがて国を照らす——。

お一人お一人のご家族の歴史を、ていねいに灯していくことが、私なりの「世直し行」だと思っています。

2月7日に集まってくださった50の灯を、ずっと大切に胸に抱いて、次の10年を歩んでまいります。

家系図のことで、少しでも気になることがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。どんな小さな疑問にも、丁寧にお答えしながら進めてまいります。

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